『ねぶた小屋定点観測』

忠臣 児島高徳と范蠡

鎌倉時代末期
 児島高徳は隠岐へ流される途中の後醍醐天皇を奪回しようとそのあとを 追ったが果たせず、そばにあった桜の木へ「天 莫 空 勾 践 時 非 無 范 蠡」 (天は古代中国の越王・勾践に対するように決して帝をお見捨てになりません。 范蠡のごとき忠臣が現れ必ずや帝をお助けすることでしょう)と記し その意志と共に天皇を勇気づけたという。
 これは、むかし中国の春秋時代に越の国王勾践が、忠臣范蠡らの努力によって 呉を破り、ふたたび越の国威を輝かせることができた故事にちなみ、 いつか天皇の御運の開けるときが来ることを申し上げたものである。
 范蠡は政治家であり軍人であり、大商人の代名詞として日本でも有名な名臣である。
 日本人の心の原点なのかもしれない。

北村  隆

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